【光る社長 普通の社長】社外に出ることのススメ (2/2ページ)


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 確かにすべきことではあるが、経営状況を良くするための決定打にはならない上、伝え方によっては従業員を萎縮させ、経営者や従業員の信頼関係が崩れてしまうなどの悪い影響も考えられる。

 そもそも仕事の効率化やコストダウンは、実働する人間が自発的に着手するのが理想で、従業員の尻をたたいてそうさせるよりも、従業員が「そうしたい」と思える環境をつくるのが経営者としては望ましい。そして、その環境とはズバリ“社長元気で留守がいい”の状況をつくることだ。

 “やる気あふれる社員に囲まれて経営も順調”。こんな夢みたいな話を現実にするには、「社長は従業員を信じて会社から離れ、積極的に外に出て営業の成果を会社に持ち帰る」これに尽きると思う。

 従業員から「社長、たまには社内でノンビリしてください」と言われても、「飯の種は社内には一粒も落ちていないぞ」と言ってさっそうと外へ飛び出していくような魅力的な経営者だったら、従業員は必死になってその背中を追っていくだろう。

【プロフィル】新井健一

 あらい・けんいち 早大政経卒。大手重機械メーカー、外資系コンサルティング会社、医療・IT系ベンチャー役員などを経て、経営コンサルタントとして独立。人事分野で経営管理や経営戦略・人事制度の構築、社員の能力開発・行動変容に至るまで一貫してデザインできる専門家。45歳。神奈川県出身。