ブーム取り込む「未来のコンビニ」 EV10分で充電、店内で食事も (3/3ページ)

 大半の店で燃料提供

 クシュタールにとって、同プロジェクトにかける意気込みは大きい。1980年にカナダのモントリオールで1軒のコンビニから始まった同社は、ライバルを買収しながら世界全土を網羅する1万2000以上の店舗網を構築してきた。そして、大半の店舗で自動車向けの燃料を提供している。同社の株価は14年に入ってから2倍超の上昇率を示した後、17年は上昇率が1%未満と低迷した。これは一つには、長期的な成長の見通しに対する投資家の疑念を反映したものだ。

 ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、ジェニファー・バルタシュス氏によれば、米国の大半のガソリン小売業者はこれまでEVに関心を払ってこなかった。その点、クシュタールは世界に広く店舗網を持ち、各地の新興産業にいち早く対応してきたことが特徴だという。「ノルウェーは国土が小さく自給自足型で、環境保護に熱心な国。こうしたユニークな市場で存在感を示せる企業はそれほど多くない。実際に進出するかは別として、この試験プロジェクトからは多くのことを学べるだろう」とバルタシュス氏は語る。

 ノルウェーのEV保有台数は約12万台と、EV普及率は世界で最も高い。これを促進しているのは手厚いEV優遇策だ。EV購入者は平均9万5000クローネ(約13万4000円)の自動車取得税が免除され、料金所の無料通過やバス専用車線の走行、都市部での駐車や充電料金の免除などさまざまな特典を受けられる。

 オスロの給油所では最近、子供を連れた30代の男性が日産自動車のEV「リーフ」を充電していた。「充電+食事」という新たなサービスについては知らずに訪れたというが、男性は「5人の子供を持つ身としては試す価値はあるかもしれない」と述べた。

 男性の日産リーフは、フル充電すればオスロからビオネロアの自宅まで110キロメートルの距離を走行できるが、ノルウェーの幹線道路網に戦略的に配置された超高速充電器が役に立つかもしれない。(ブルームバーグ Sandrine Rastello、Mikael Holter)