三谷セキサンと積水化学工業、地中熱交換器内蔵くい開発

くいの中空部に挿入した熱交換器
くいの中空部に挿入した熱交換器【拡大】

 三谷セキサンと積水化学工業は、地中熱交換用の高密度ポリエチレン管を内蔵した既製コンクリートくい「Hybrid Pile MS」を開発した。2月から本格的に販売を開始する。

 再生可能エネルギーとして注目されている地中熱は、学校教育施設やオフィスビル、住宅などの空調設備や積雪地域の融雪設備として利用されるケースが、徐々に増えている。

 従来の地中熱交換器の設置工法としては、専用の機械を用いて約50~100メートルまでボーリング掘削した設置孔に、熱交換器を設置する「ボアホール方式」が主流となっている。

 今回開発した製品は、熱交換器を固定した鉄筋かごをあらかじめ工場で作製し、基礎くいの埋設時にくいの中空部に設置する。このため熱交換器のための掘削作業が不要となり、現場での作業を軽減。工期短縮を実現し、トータルコストの削減にもつながる。

 実証試験の結果、有効長さ1メートル当たりの熱交換量は、ボアホール方式に比べて約1.5倍に増えたという。