無資格検査 「日産報告書の分析は表層的」 格付け委2人が「不合格」

 日産自動車の無資格検査問題を検証した外部調査報告書の内容について、弁護士らで構成する格付け委員会は1日、8人中2人が「不合格」の評価を下した。残る6人も最低評価だった。調査チームの独立性が不透明で、車の専門家もおらず分析が表層的だったと厳しく批判した。

 格付け委員会は弁護士や学者で構成し、不祥事を起こした企業などが実施する第三者による原因調査が適切だったかどうかを評価している。A、B、C、DとFの5段階で、Fは不合格に相当する。過去には東洋ゴム工業による免震装置ゴムのデータ改竄(かいざん)や、三菱自動車の燃費不正問題の調査報告書も評価した。

 調査を担当した法律事務所と日産の利害関係が不明瞭だと指摘したほか、調査期間が19日間と短く、通り一遍の調査しかしていないことも理由に挙げた。

 日産は昨年11月、外部調査に基づき、無資格検査の原因は、正規検査員の不足と、規範意識の薄さが原因と結論づけた調査報告書を発表した。無資格検査は1990年代には常態化していた。

 日産は昨年9月、国の規定に反して資格のない従業員に新車の最終検査をさせていたことが国土交通省の立ち入り検査で発覚した。