私が特に人事採用に有効と感じるのは、誰の主観も入らずに受験者の内面や才能を見いだせる点だ。
例えば、日本の適性検査は受験者が良い結果を出すため主観を入れることが可能だが、相貌心理学は顔という客観的なものを基に分析を行うため、本人と採用側の主観が全く入らない。
フランス相貌心理学会の見解によれば、相貌心理学者の分析による正答率は99%という。
性格や内なる才能を見極め、企業カラーに合うか、才能を生かせる部署はあるかなどを総合的に判断し合否が決められれば、適材適所への人材配置がスムーズになる。
採用後に起こる人的問題の解決まで含め、人事に費やす時間やコストが大幅に減るはずだ。
既に導入を検討している日本企業もあるといわれ、実際に運用されれば上記に挙げた利点以外にもさまざまな成果が期待できるだろう。
自身の内面を奥底まで分析するため、フランスでは社長付の相貌心理学士者もいるという。
「光る社長の内面、秘めたる才能はいかに?」。客観的に自分を知る良い機会として一度「相貌心理学」を自ら体験し、納得した上で“人事採用現場での起用”を検討してみてはいかがだろうか。
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【プロフィル】新井健一
あらい・けんいち 早大政経卒。大手重機械メーカー、外資系コンサルティング会社、医療・IT系ベンチャー役員などを経て、経営コンサルタントとして独立。人事分野で経営管理や経営戦略・人事制度の構築、社員の能力開発・行動変容に至るまで一貫してデザインできる専門家。45歳。神奈川県出身。