スシローが「変わり種競争」から降りたワケ 「すし」がマズいと行き詰まる (1/3ページ)

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 市場拡大が続く回転ずし業界。各社は「ラーメン」や「糖質オフ商品」など、すし以外のサイドメニューを増やしてきた。だがここにきて、業界首位のスシローが“変わり種競争”から距離を取り、海産物をつかったすしの強化に乗り出している。店舗経営コンサルタントの佐藤昌司氏は「かっぱ寿司と同じ失敗を繰り返さないため “本筋”に回帰してきた」と読み解く--。

 激化する回転寿司チェーン競争

 2017年は回転ずし業界の話題が目立った1年だった。

 昨年9月、業界首位のスシローグローバルホールディングスと5位の元気寿司が経営統合を前提に資本提携し、世間を驚かせた。スシローの2016年度の売上高は1477億円。元気寿司の349億円と合わせると1826億円になり、「くら寿司」を展開する2位のくらコーポレーション(1136億円)を大きく引き離す。3位のはま寿司(1090億円)と「かっぱ寿司」を展開する4位のカッパ・クリエイト(794億円)も交えて、大手回転ずしチェーンの競争は激化している。

 回転ずしは市場規模が拡大しており、外食産業の中でも将来性がある市場といえる。市場調査会社の富士経済によると、2016年の市場規模は6055億円で、前年比で4.8%増加した。また、総務省の家計調査によれば、2016年のすし(外食)に対する1世帯あたりの支出額は1万3033円で、前年比で6.4%も増加している。

 上位各社が「変わりメニュー」投入

 大手各社は広がるパイを少しでも多く獲得するために、さまざまな施策を講じてきた。業界2位のくら寿司は昨年8月、シャリを酢漬けのダイコンに入れ替えた「シャリ野菜」シリーズや「7種の魚介らーめん 麺抜き」など、糖質オフを売りにした独自のメニューを発表した。さらに11月には、「インスタ映え」を打ち出した商品シリーズ「竹姫寿司」の販売を開始。竹をモチーフにした器にネタとシャリを入れたもので、「いくら」や「ねぎまぐろ」など5種類を取りそろえている。

かっぱ寿司は「ひとり負け」