1月の紙・板紙の国内出荷が6カ月連続減 印刷情報用など低迷

日本製紙が塗工紙の生産設備を停止する石巻工場。厳しい国内市場を象徴している=宮城県石巻市
日本製紙が塗工紙の生産設備を停止する石巻工場。厳しい国内市場を象徴している=宮城県石巻市【拡大】

 日本製紙連合会が20日に発表した1月の紙・板紙の国内出荷量は、前年同月比1.6%減の188万5000トンと、6カ月連続で前年実績を下回った。板紙は15カ月連続のプラスとなる0.6%増の84万トンだったが、紙は3.3%減の104万6000トンと、8カ月連続でマイナスとなった。特に印刷情報用紙や新聞用紙の需要が低迷した。

 一方、輸出は25カ月連続のプラスとなる12.6%増の13万7000トンと堅調だった。板紙は3.3%減だったが、紙は22.4%増とアジア向け中心に増えた。

 製紙連の馬城文雄会長(日本製紙社長)は同日の会見で、業界最大手の王子ホールディングスが6位の三菱製紙に33%を出資すると6日に発表したことについて、「こうした不況が続く限り、どう(事業の)永続性を確保するかは各社つねづね考えていると思う」と述べた。

 一方、この日は日本鉄鋼連盟も1月の粗鋼生産量を発表し、前年同月比0.3%増の903万トンとなり、3カ月連続で前年実績を上回った。自動車などの製造業に加え、東京五輪・パラリンピックの開催が迫る中、建設向けの需要が堅調だった。

 鋼種別の生産では、自動車の車体や建物の鉄筋などに幅広く使われる普通鋼が1.7%減の682万3000トンと、4カ月連続で前年を下回った。強度を高める処理などを施した特殊鋼は7.0%増の220万7000トンと、3カ月連続でプラスとなった。