【スポーツi.】五輪中継は重要な戦略コンテンツ (1/3ページ)

連日熱戦が繰り広げられている平昌五輪。熱気がテレビを通じて伝わってくる(共同)
連日熱戦が繰り広げられている平昌五輪。熱気がテレビを通じて伝わってくる(共同)【拡大】

 □二松学舎大大学院非常勤講師・宮田正樹

 韓国・平昌で冬季オリンピックが始まったが、お隣の国での開催にもかかわらず、開幕式からしてえらく遅い時間にやっているなと感じたし、各競技においてもえらく朝早くから、あるいはえらく夜遅くにやっているな、と感じる毎日である。

 その理由はヨーロッパおよびアメリカでのテレビ放送の時間帯を考慮してのことである。国際オリンピック委員会(IOC)の収入の約半分がテレビ放映権収入であると聞くとそのマネーパワーの強さも理解できるが、選手や競技への影響を考えると素直には納得できない。

 オリンピックが初めてテレビ放送されたのは、1936年のベルリン大会だ。ヒトラーのナチス政権下、国威発揚のため、ベルリン周辺に限られてはいたがテレビ放送が行われた。「聖火リレー」も初めて行われたのだが、目的はナチの宣伝とともにヨーロッパ侵攻ルートの偵察があったといわれている。

 ローマ大会から対価

 次は48年のロンドン大会だ。ロンドン周辺での放送だったが、この時初めて「放映権」に対する対価が発生している。対価は3万ドルとされたが、国営放送局であるBBCのみで放送されたこともあり、IOCは対価を受け取らなかった。

 本格的に放映権料が徴収されたのは60年のローマ大会で、総額120万ドルだった。このうち46%を米CBSが支払っている。以後、64年の東京大会では初の衛星放送による海外中継が、68年のメキシコ大会からは世界へ向けてカラーの衛星中継が全面的に行われた。72年のミュンヘン大会で1780万ドルに上がった放映権収入は10年後の82年のロス大会では2億8676万ドルと10倍以上に高騰し、その後も高騰の一途をたどっている。

米NBCが突出した存在