AIでタクシー配車 相乗り視野、アプリ開発過熱 電機、自動車など参入相次ぐ (1/2ページ)

スマホを振ると近くのタクシーに居場所が通知される国際自動車の配車アプリ「フルクル」
スマホを振ると近くのタクシーに居場所が通知される国際自動車の配車アプリ「フルクル」【拡大】

 人工知能(AI)を使ったタクシー配車サービスをめぐる競争が熱気を帯びてきた。成長が見込める市場とあって電機や自動車、通信など異業種の大手企業も相次いで参入、開発に向けた動きが活発化している。背景にはタクシーの「相乗り」や、将来の自家用車による相乗り解禁まで視野に「心臓部」の配車システムで先手を打つ狙いもあるようだ。

 ソニーが新会社設立

 ソニーは日の丸交通など東京のタクシー大手6社と共同出資し、スマートフォンのアプリで配車するシステムを開発する新会社を今春に設立する。6社は東京都内で1万台超を保有。アプリの提供を早ければ今秋に開始する。当初は都内で事業を始めるが、将来は地方のタクシー会社でもサービスを利用できるようにする。

 トヨタ自動車は日本交通グループとAIによる配車システムを今年中に開発することを決めた。ソフトバンクグループは米国の配車大手ウーバー・テクノロジーズや中国の滴滴出行に出資した。

 配車システムはAIを活用して客のさまざまな条件とタクシーを瞬時にマッチングさせる仕組み。海外で普及している相乗りでは、サービスを支える根幹技術として威力を発揮している。客はスマホなどで乗降車地を指定すると料金や所要時間が示され、短時間で配車してもらえる。ドライバー側も客に道順を聞く手間が省けるなど仕事が効率化できる。

 業界関係者によると、日本のタクシーの稼働率は平均30%程度と低迷。低収益にあえぐ会社も多く、稼働率の向上は長年の課題となっており、高精度の配車システムの需要は大きいとみられる。

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