アップル、コバルト鉱山丸抱え 電池需要急増で自動車業界も食指 (1/3ページ)

コンゴ南東部コルウェジにある銅・コバルト鉱山の冶金プラント(ブルームバーグ)
コンゴ南東部コルウェジにある銅・コバルト鉱山の冶金プラント(ブルームバーグ)【拡大】

 電気自動車(EV)やスマートフォン用電池の材料であるコバルトをめぐり米IT大手アップルや自動車各社の間で、前例のない争奪戦が始まっている。EVブームを背景にしたコバルトの需要急増を受け、供給不足が懸念され価格も高騰している。電池生産が必須の企業にとっては、コバルト確保が重要課題となりつつある。

 スマホに不可欠

 アップルはコバルトを長期にわたり安定的に確保するための直接調達に向けて鉱山会社との交渉に入ったことが、関係者の話で分かった。同社はコバルトを端末用電池に使っており、使用量が世界で最も多い企業の一つ。これまで電池メーカー任せだった調達に、自ら乗り出そうとしているようだ。同社は5年以上にわたり年間数千トンのコバルトを確保できる契約締結を求めているという。鉱山会社と初めて協議を行ったのは1年余り前だが、最終的に契約が見送られる可能性もある。

 コバルトは産出量の約3分の2をコンゴ(旧ザイール)産が占める。スマホに搭載されるリチウムイオン電池には不可欠の素材だ。ただ、スマホに使われる精製コバルトは約8グラムなのに対し、EVでの必要量はその1000倍を超える。

 今回の交渉は、EV用電池需要の急増でコバルト不足が懸念される中、アップルがスマホ「iPhone(アイフォーン)」やタブレット端末「iPad(アイパッド)」用電池向けにコバルトの十分な確保を目指していることを示している。世界のコバルト生産の約4分の1はスマホ向けだ。

コバルトの価格は急上昇