【高論卓説】日本初の水力発電所、「経済のインフラ」として活躍 エネルギーの「地産地消」担う (1/2ページ)

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 「水力発電発祥之地」-石碑に刻まれた文字が誇らしい。JR仙台駅から西に5キロほどの地点に、東北電力三居沢(さんきょざわ)水力発電所はある。広瀬川の上流2kmにあるせきから取水され導管を流れて、河岸段丘の約27メートルの落差から、水流が落下して発電機の水車を回転させる。この地にあった東北初の機械式紡績工場の動力用水車を利用して、工場内に白熱灯とアーク灯が点灯したのは1888年(明治21年)のことである。

 この発電所は今も現役である。1924年製の発電機と07年製の水車は一部を改良しながら稼働を続けている。最大出力は1000キロワット。09年に竣工(しゅんこう)した木造平屋の建屋は、文化財保護法に基づく有形無形文化財に登録されている。

 東日本大震災において、東北電力管内では太平洋沿岸の火力発電所の被災もあって、巨大地震直後の2011年3月11日夜、約450万戸が停電した。停電率は、青森、岩手、秋田、宮城の各県で90%を超えた。東北電力は3日目で約80%を、8日目で約94%を解消した。

 大規模停電の復旧作業は、「種火」と呼ぶ水力発電所をまず立ち上げて、配電網などを慎重に点検しながら随時近くの発電所を稼働させていく。三居沢発電所も3日目に稼働してその役割を果たした。

 立春を過ぎても寒波が列島を襲っている。企業や家庭の暖房機器がフル稼働して、電力需要は急激に増大した。東京電力は22日に他社から電力の融通を求めた。供給力に対する余裕度を示す設備予備率が4%台と予測したからだ。この数値は発電所や送電施設の危機などに備えるには、8%程度が適正とされ、少なくとも3%が必要とされている。需要が供給力を上回れば大規模停電になる。

電力は「経済のインフラ」