【開花した韓国事業 Jトラストの挑戦】(1)規制強化でも「日本式」が奏功 (1/3ページ)

「2018ファーストブランド大賞」で貯蓄銀行部門大賞を受賞し表彰状を受け取るJT親愛貯蓄銀行のジョ・ウォンジュン専務(右)=2017年12月18日、ソウル・ヨイド
「2018ファーストブランド大賞」で貯蓄銀行部門大賞を受賞し表彰状を受け取るJT親愛貯蓄銀行のジョ・ウォンジュン専務(右)=2017年12月18日、ソウル・ヨイド【拡大】

 ■ノンバンクから転換、生きた先読み戦略

 Jトラストの韓国金融事業が安定成長期に入った。金融当局による規制強化という逆風が吹く中、日本で培ったノウハウと高品質な金融サービスが受け入れられ、買収した4社のシナジー効果も寄与し、コンプライアンス(法令順守)重視の姿勢も評価された。2012年10月の貯蓄銀行業スタート時は300億円程度だった貸出資産残高は3200億円を超え、50%超だった不良債権比率は5%以下に低下した。韓国で「ノンバンク」から「バンク」に事業転換し、東南アジア進出につながった。その成功要因を現地で探った。

 「満足度」3年間1位

 「顧客からの評価で受賞できたので気分が良く感慨深い。今後も信頼に応えるため最高のサービスを提供できるように最善を尽くす」

 昨年12月18日、ソウル・ヨイドのビジネス街中心部にあるコンラッド・ソウルで開催された「2018ファーストブランド大賞」の表彰式で、JT親愛貯蓄銀行のジョ・ウォンジュン専務はこう喜んだ。

 貯蓄銀行部門の消費者満足度調査で3年連続ナンバーワンに選ばれたからで、「親しまれ、愛される銀行」を目指すという行名通りの評価を確立。日本企業でも商品・サービス、経営姿勢が支持されれば成長できることを証明した。

 韓国金融業界は都市銀行や地方銀行などの第1金融圏、貯蓄銀行や与信専門金融会社などの第2金融圏、さらに金融当局管轄外の消費者金融などの第3金融圏に分類される。

日本の経験を生かした先読み戦略が奏功