【30年春闘】実質プラスには力不足

 第一生命経済研究所・永浜利広首席エコノミスト 予想ほど悪くはないが、大企業全体の賃上げ率は2%台半ばにとどまる見通しだ。物価が上昇していることを踏まえると、実質的な購買力を示す実質賃金がプラスに転換するには力不足だ。政府が年内に「デフレ脱却宣言」をするのは厳しいだろう。財務省の決裁文書改(かい)竄(ざん)問題の影響でアベノミクスの先行きに不透明感が出てきたことが、企業の前向きな投資を抑える可能性もある。