奇妙な風貌…それでも愛される理由 日本未発売の日産「ムラーノ クロスカブリオレ」 (1/3ページ)

日産自動車「ムラーノクロスカブリオレ」(ブルームバーグ)
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 最近の自動車業界のトレンドは大きな車体、速さ、環境への優しさという3つの区分のどれかに大抵当てはまる。4つ目にあった本当に奇妙な車という区分は2014年にほぼ消滅してしまった。

 それは日産自動車が、21世紀で間違いなく最も奇妙な車「ムラーノ クロスカブリオレ」の生産を終了した年だ。スポーツ用多目的車(SUV)の車体にコンバーティブルスポーツカーを融合させたクロスカブリオレは車体が大きく、重量があって車高が高いが、独フォルクスワーゲン(VW)の「ビートル」よりも荷物スペースは狭いという代物だった。2ドアでスポーティーな印象を与えるものの、無段変速(CVT)のため高速で振動しやすく、コーナリングでは安定性を欠いた。

 弱者に対する愛情

 「ドライバーはこの車を嫌うだろう」。自動車業界誌のカー・アンド・ドライバーは半年ごとのレビューで手厳しい見方を示した。約4万5000ドル(約479万4300円)という価格も買い手を遠ざける要因だと、評価は低かった。

 満を持して発売した製品の不発という点で、クロスカブリオレは少なくともコカ・コーラの「ニューコーク」や、米ウエアラブルカメラメーカー、ゴープロの小型無人機「ドローン」に肩を並べるとみる業界関係者もいる。

 それでもさまざまな年齢層のドライバーの中には、弱小スポーツチームや拾ったペットに対して抱くような愛情をこの奇妙な車に注ぐ人もいる。

 ケリー・ブルー・ブックの業界予測担当マネジャー、ティム・フレミング氏は「何か奇妙なもの、何か違うものを探し求めている人は常にいる」と述べた。タデ食う虫も好き好きで、説明のしようがない。

非合理ゆえの喜び