宅配便最大手のヤマト運輸は16日、トラック運転手採用方式の変更に伴い、フルタイムで働く契約社員約3000人を正社員登用すると発表した。また事務職などの契約社員やパート社員については、法定基準よりも短期間で無期雇用にする制度を創設する。従業員の雇用不安を解消し、人材確保につなげる。
フルタイムのトラック運転手は、これまで2年後の正社員登用を前提に契約社員としてきたが、5月16日以降は最初から正社員として採用する。これに伴い、現在在籍する約3000人の契約社員も同日付で希望者全員を正社員にする。
また、トラック運転手以外のフルタイム勤務の契約社員は採用から3年が経過したら、有期雇用から無期雇用への転換を申請できる新制度を創設する。同制度ではパート社員も社内資格を満たせば、勤務期間を問わず無期申請ができる。3月16日現在で、対象となるフルタイム契約社員は約1900人、パート社員は約3万7000人という。
有期の雇用契約をめぐっては、改正労働契約法の規定で4月から同一企業で通算5年以上勤務する契約社員は無期雇用への転換を申請できるようになる。
ヤマトはより短期間で無期雇用に切り替えることができる点をアピールし、従業員をつなぎとめる。