三菱自を持ち分法適用会社に 三菱商事、TOB成立で出資比率20%

 三菱商事は21日、三菱自動車に対する株式公開買い付け(TOB)が成立し、同社を持ち分法適用会社にしたと発表した。出資比率は9.24%から20%に高まる。自動車事業の強化につなげ、車両の電動化や自動運転技術の進展など、激変する自動車業界で商機の開拓を進める。

 2月21日から3月20日まで実施したTOBで、三菱重工業と三菱東京UFJ銀行の2社から三菱自株を取得した。取得金額は当初の予定通りの1201億円。持ち分法適用会社とすることで、一定の利益を取り込める態勢を整えた。

 三菱商事は2016年度から3カ年の中期経営計画で自動車分野を食品原料や液化天然ガス(LNG)と並ぶ成長事業に掲げている。既に三菱自には37人の人材を派遣し益子修最高経営責任者(CEO)も三菱商事出身だ。

 出資比率引き上げの狙いについて、三菱商事の関係者は「従来以上にスピード感が求められる自動車業界で、商社の機能を発揮したい」と話す。例えば、需要の拡大が期待される電気自動車(EV)に搭載するリチウムイオン電池の原料となるリチウムは、中国企業などとの争奪戦が激化しており、安定確保に商社の果たす役割も増している。軽量化に向けた材料の開発やEVの蓄電池を使った再生可能エネルギーの蓄電事業、電力事業といった新ビジネスも期待できるという。

 三菱自の筆頭株主は、同社の燃費不正問題を契機に34%の株式を取得した日産自動車。三菱商事は日産との関係強化も視野に入れているようだ。

 三菱自は1970年に三菱重工の自動車部門が独立し発足したが今回のTOBで三菱重工の議決権比率は1.45%に低下した。