【現場の風】医工連携コーディネーター・森尾康二さん


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 ■「臨床的価値」作り出していく

 --医工連携コーディネーターとは

 「普段から大学病院や地域中核病院の臨床医などに医療ニーズを求めて足しげく通い、また大学などの研究機関の研究成果を把握する。これらを中小・ベンチャーの持つものづくりの技術などと結びつけて、新たな価値を作り出すことを目指している」

 --新たな価値とは

 「『ありがとう』という感謝の言葉が価値だと思っている。開発された新しい技法によって、いままでの知見ではなし得なかった治療ができるようになり、担当医からも患者からも感謝の言葉がいただけるような価値、『臨床的価値』を生み出していきたい」

 --ここ数年、医工連携の重要性が指摘されているが、あまり進んでいない印象もある

 「医療現場の医師のニーズを、ものづくり企業の技術で直接的に満たすことには無理がある。仮に満たすことができたケースでも、それは小さな改善や改良のレベルにすぎないだろう」

 --それを根本的に解決していくためのポイントは

 「医療機器メーカーの研究開発部門の人は、医療現場のニーズと、ものづくり企業の持つ技術の両方を知っている。両側を知る人たちが開発案件をコーディネート(調整)してこそ、本来の医工連携による開発が可能になると思う」

 --開発成果を広く流通させるには何が必要か

 「単に技術開発だけにとどまらず、資金調達や規制への対応、知的財産の確保、ビジネスモデルの構築など幅広い対応が求められる。ただ、それらを1人で対応していくには無理がある。コーディネーター同士の横のつながりを生かしてマネジメントできるような能力が求められている」

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【プロフィル】森尾康二

 もりお・こうじ 東大工卒。1965年住友商事入社、94年八神製作所入社、2001年に同社を退職し、医療・健康ビジネス開発コーディネーターに。医工連携推進機構理事、日本医工ものづくりコモンズ理事も務める。大阪府出身。