遠隔医療、受診・相談がオンラインで手軽に

 ■ベンチャー取り組み、政府も後押し

 スマートフォンなど情報通信機器を使った遠隔医療サービスに取り組むベンチャー企業が増えている。離島など医師不足の地域に限らず、自宅で手軽に受診できるため、都市部にも需要は多い。政府も診療報酬を改定して普及を後押しする方針で、情報通信技術との融合で医療も変革の時代を迎えそうだ。

 メドレー(東京都港区)は、オンライン診療システムを全国約800の医療機関に提供している。患者はスマホのアプリなどでインターネット予約し、テレビ電話で受診する。診察後に薬や処方箋が自宅に配送される仕組みだ。診察料の決済もネットで行う。遠隔診療に適さない病気も多いが、生活習慣病や花粉症などに幅広く利用されている。医師の豊田剛一郎代表取締役は「医療へのハードルを下げて、患者との接点を増やしたい」と話す。

 キッズパブリック(東京都千代田区)は、診療外で乳幼児の母親がテレビ電話で気軽に小児科医に相談できるサービス「小児科オンライン」を提供している。相談は1回10分で、病院に行くべきか迷うような軽い症状でも相談できる。企業が福利厚生の一環として法人契約するケースも増えている。

 代表の橋本直也医師は「育休中の女性医師が自宅で働けるため、医師側の働き方改革にもつながる」と強調する。

 矢野経済研究所は、2015年度に約122億円だった遠隔医療市場が19年度には1.6倍の約199億円に成長すると予測している。

 安倍晋三首相は昨年の未来投資会議で、遠隔診療を組み合わせた新しい医療の重要性を強調。政府は18年度の診療報酬改定で「オンライン診療料」などの報酬を新たに設けた。