【広報エキスパート】日本触媒 「良好な雰囲気作り」システム化 (1/2ページ)

日本触媒経営企画室IR・広報部長來栖暁氏
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 □日本触媒 経営企画室IR・広報部長 來栖暁氏

 --世界の「紙おむつ」の4分の1に日本触媒の製品が使われています

 当社はアクリル酸や酸化エチレンなどの基礎化学品、それらを原料とした高度な機能性化学品などを開発し、製造・販売する会社として1941年に創業しました。その一つ、高吸水性樹脂(SAP)、別名・吸水性ポリマーという機能性化学品はアクリル酸を基礎原料として、独自の技術により進化させたもので、吸水性、保水性に優れ、1グラムの樹脂で最大1000グラムほどの水を吸い取ることができます。赤ちゃんを不快にさせないよう、また、おむつ全体が薄く小さくなるよう、樹脂に工夫を施し、今や世界のトップシェアを誇っています。

 --衣料用洗剤のコンパクト化にも一役買っています

 かつての洗剤は、今の洗剤の3、4倍のサイズでしたが、最近はコンパクトな濃縮タイプの液体洗剤がたくさん出ています。当社独自の技術で生産している酸化エチレンから界面活性剤(商品名「ソフタノール」)をつくり出し、性能の改善に役立っています。この製品は各社からひっぱりだこです。

 --研究開発に力を入れてきました

 従業員約2000人のうち4分の1が研究者です。新しいものにチャレンジを続けて、社会に役立つ技術を創造するため、研究開発を大切にしてきました。研究員が自分で作ったおむつを履いて、自ら使用感を確かめることもあります。徹底的に最終ユーザーと向き合い、独自の研究開発を行っています。こうして生まれた技術は、国内外で高い評価をいただいています。このような実態を一般の方にも分かりやすく発信していくことが広報の使命です。

高杉良氏の経済小説「炎の経営者」がドラマ化されましたが…