経営

パナソニックが車開発ベンチャーと資本提携 シミュレーションで動作確認 開発コスト低減に期待 (1/2ページ)

 パナソニックは10日、自動車関連の開発ベンチャー、AZAPA(アザパ、名古屋市中区)と資本提携すると発表した。アザパは製品などの動作確認を試作品ではなくコンピューターのシミュレーションで行う「モデルベース開発」に強みを持つ。パナソニックは成長の柱に据える車載機器の開発にコスト削減につながる新手法を用い、提案型ビジネスへの転換を図る。

 パナソニックの出資は数%程度。平成27年から電気自動車(EV)用モーターなどの開発で協業してきたが、今後は協業の範囲を運転支援システムなど自動運転分野にも広げる。

 実機の試作を繰り返す従来の設計・性能評価は人手やコストがかかるが、シミュレーションに置き換えれば、開発コストを3割削減できるとされる。パナソニックは先端技術を先取りし、自動車メーカーに開発の効率化を提案する。

 電機大手では成長が見込めるEVや自動運転分野での事業拡大のため、有望なデジタル技術を持つ企業を囲い込む動きが相次ぐ。日立製作所もシリコンバレーに事務所を置き、現地ファンドと連携して自動運転などのベンチャー企業の発掘を進めている。

     

 パナソニックが強化するモデルベース開発は、開発効率向上が課題となっている自動車業界でも導入が進む。車両の電動化や自動運転技術の進化で複雑さを増す製品開発を素早く低コストで実現できると期待され、政府も各社による導入の促進に向けた環境整備を後押ししている。

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