ビクセン 「星景」撮影器具の販売強化 写真愛好家に天体観測アピール (2/2ページ)

カメラと接続して「星景写真」を撮影するための器具「星空雲台ポラリエ」(左)
カメラと接続して「星景写真」を撮影するための器具「星空雲台ポラリエ」(左)【拡大】

 同社は家庭用天体望遠鏡で国内トップメーカーだが、近年中国製の低価格品が登場して海外での売り上げが低下している。このため天体観測ファンの裾野を広げようと、写真愛好家をターゲットにポラリエを開発した。ちょうどスマートフォンの普及が加速し、自分の撮った写真を会員制交流サイト(SNS)に投稿する習慣が定着したこともあり、従来の望遠鏡関連商品とは桁が1つ上の累計数万台を出荷している。

 限られた愛好者向けのニッチ市場であるため急成長は望めないが、「底堅く推移し、ロングセラー商品となっている」と新妻和重社長は満足げだ。

 写真愛好家取り込みの成果については「フォトコンテストへの星景写真での応募が増えている」と手応えを感じている。今後はファンの領域をさらに広げるため、動画を撮影できる器具も開発する予定だ。

【会社概要】ビクセン

 ▽本社=埼玉県所沢市東所沢5-17-3

 ▽設立=1949年10月

 ▽資本金=6400万円

 ▽従業員=85人

 ▽事業内容=天体望遠鏡、双眼鏡、顕微鏡の開発・製造・販売