山口県上関町体験型宿泊施設「マルゴト」お披露目会を開催

真鯛のさばき方実演
真鯛のさばき方実演【拡大】

  • さばきたての真鯛料理がふるまわれた交流会

 豊かな自然を未来の子どもたちに残すために活動する一般社団法人上関まるごと博物館(山口県熊毛郡上関町室津1057、代表理事: 高島 美登里(たかしま みどり))は、上関の自然や漁師文化の体験、交流の拠点となる体験型宿泊施設「マルゴト」のお披露目会を2018年4月6(金)に開催しました。

当日は、同施設設立のためのクラウドファンディング出資者や報道関係者、支援を続けてきたアウトドア企業パタゴニア日本支社のスタッフなど約30名が参加しました。「マルゴト」の設立までの経緯やコンセプトの説明、施設見学のほか、地元漁師による真鯛のさばき方実演、魚拓体験、タケノコ掘りや無農薬のレモン狩りなど、上関の自然を体験できるプログラムを実施しました。後半には、漁師がさばいた地魚の漁師飯がふるまわれ、地元の方々と参加者が交流を深めました。

 【クラウドファンディングで古民家を改装、多くの協力を得て体験型宿泊施設が完成】
瀬戸内海に面した山口県南部に位置する上関町には、有識者が「奇跡の海」と称するほど稀少な海生生物や絶滅危惧種の鳥類が多く生息しています。体験型宿泊施設「マルゴト」は、上関の自然を次世代に残すこと、多くの人に体感してもらい自立したまちづくりを進めていくことを目的に活動する「上関ネイチャープロジェクト」の拠点として設立されました。クラウドファンディングで費用の一部となる約520万円を得て、築40年の古民家を東郷 哲史(とうごうさとし)氏(ブリコルール・東京都渋谷区)のもとパタゴニアスタッフや山口大学学生らと改修し、この度お披露目となりました。現在セミナーハウスとして活用され、2018年6月頃には宿泊施設としてオープンします。

 【設計を担当した三浦 丈典(たけのり)氏「上関のエントランスとなる場所に」コンセプトを説明】
当日はあいにくの雨風でしたが、クラウドファンディング出資者や報道関係者、設立まで支援を続けてきたパタゴニア日本支社スタッフなど約30名が「マルゴト」に集いました。「マルゴト」管理人の上田 健悟(うえだ けんご)からの挨拶、設立までの日々を記録したオープニングムービーからお披露目会はスタート。「マルゴト」の運営を担当する一般社団法人上関まるごと博物館代表理事 高島 美登里の紹介で、設計を担当した三浦 丈典氏(スターパイロッツ・東京都目黒区)より設計コンセプトをプレゼンテーションしていただきました。三浦氏は、同施設を、上関全体を体験するための拠点(ベースキャンプ)として設計。「“マルゴト”は上関の旅館ではありません。
上関全体のエントランスホールです」とコンセプトを紹介しました。

 【地元漁師による真鯛のさばき方実演と魚拓体験、さばきたての刺身はプリプリのおいしさ】
当日は荒天のため、船上での自然観察会からプログラムを変更し、漁師による魚のさばき方実演を行いました。講師は上関ネイチャープロジェクトのメンバーで、地元漁師の”てっちゃん“こと小浜鉄也(こはまてつや)氏です。漁師をめざす管理人の上田も手伝い、まずは真鯛を仕留め血抜きをする手順を実演しました。参加者も挑戦しましたがなかなかうまくできず、漁師歴40年となるてっちゃんの技術に改めて賞賛の声が上がっていました。三枚におろした真鯛はその場で刺身として参加者に提供されました。「甘い!」「プリプリで食感が全然違う!」とあちこちで感嘆の声が上がり、一味唐辛子と醤油で食べる上関流の食べ方も好評でした。
真鯛の魚拓体験では、墨の塗り方や濃淡により個性が出て、参加者それぞれ魅力的な作品ができあがりました。それぞれの作品はお土産としてプレゼントされました。

【タケノコ掘り・レモン狩り体験と史跡巡りの二手に分かれ、上関をまるごと堪能】
昼食には、上関でとれたサザエを使った炊き込みごはんのおにぎりと、上関町の祝島特産びわ茶がふるまわれました。上関の稀少な生き物たちの映像を鑑賞した後は、「タケノコ掘り・レモン狩り体験」「史跡四階楼(しかいろう)と港町の歴史探訪」の二手に分かれ、上関を巡りました。
「タケノコ掘り・レモン狩り体験」は、車で15分ほどの長島の無農薬農家、山戸(やまと) 明代(あきよ)氏の畑で行いました。まずは竹林でタケノコ掘りを体験するため、山戸氏から農具の鍬(すき)の使い方を教わります。参加した小学生の男の子は、雨も気にせず積極的にタケノコ掘りに挑み、掘り採った時には満面の笑みをうかべていました。その後は畑へ移動し、レモン狩り体験です。農薬を使わずに育てたレモンは、果皮がゴツゴツとしつつも生命力に溢れていました。
「史跡四階楼」は、車で5分ほどの場所にあります。明治初期に建設されたこの建物からは、港町として栄えた当時をうかがい知ることができます。参加者は、職員の方に案内いただきながら、贅を尽くしたその造りを各々細かな部分までじっくりと見学しました。最上階の4階では、色とりどりのモダンなステンドグラスの窓に歓声が上がりました。

【新鮮な地魚料理のごちそうで乾杯!にぎやかに交流会】
参加者が「マルゴト」に戻ると、セミナールームは交流会会場に様変わり。大皿に盛られた真鯛のカルパッチョに歓声が上がります。上関の自然を守る活動に長年支援をいただき、「マルゴト」設立にも大きな役割を果たしたパタゴニア日本支社の支社長辻井 隆行(つじい たかゆき)氏より、祝辞と乾杯の挨拶をいただきました。
「いま日本は、経済成長だけではない幸せのあり方を探していくべき時に来ているのではないかと感じています。素晴らしい自然を残すこの上関には、そんな幸せを見つけるためのヒントがあるのではないかと思っています」
乾杯の発声で全員がグラスを合わせ、その後は主催者も参加者もともに、料理と会話を楽しみました。真鯛の煮付けやアカモクの天ぷら、掘りたてのタケノコの天ぷらなど、次々と料理が運ばれてきては参加者のお腹におさまりました。
最後に、代表理事の高島 美登里より謝辞を述べました。
「私たちでは到底できなかったことが、たくさんの方に支えられて実現しました。設立に関わってくださったみなさん、今日出会うことができたみなさん、ありがとうございました。みなさんの第二のふるさとのような場所になりたいと思っています。ぜひまたここへ帰ってきてくださいね」
参加者へのお土産として、アカモクと名物鳩子天ぷら(さつまあげ)、祝島ひじきをお渡しし、閉会となりました。

<体験型宿泊施設「マルゴト」お披露目会 概要>
日時:2018年4月6日(金)

10:00 「マルゴト」に集合
開会のご挨拶
本日のプログラムご案内
設立コンセプトの紹介
・「マルゴト」管理人 上田 健悟
・一般社団法人上関まるごと博物館代表理事 高島 美登里
・スターパイロッツ代表 三浦 丈典氏

10:30 漁師による真鯛のさばき方実演、魚拓体験
・地元漁師(シーパラダイス室津代表) 小浜 鉄也氏

12:00 昼食
漁師の作ったサザエの炊き込みおにぎり、びわ茶
・「奇跡の海」映像鑑賞

13:20 二手に分かれて出発
a.タケノコ掘り・レモン狩り体験
車移動 中ノ浦海岸を車内より見学
長島・戸津(へつ)にてタケノコ掘りとレモン狩り
・無農薬農家 山戸 明代氏

b. 史跡四階楼と港町の歴史探訪
車移動
四階楼・郷土資料館見学
道の駅「上関海峡」見学

15:40 交流会開始
乾杯・ご挨拶
・パタゴニア日本支社長 辻井 隆行氏
・上関ネイチャープロジェクト 小浜 鉄也氏
「マルゴト」施設内見学

16:00 閉会
謝辞・ご挨拶
・一般社団法人上関まるごと博物館代表理事 高島 美登里

 <「マルゴト」施設概要>
・施設キャッチコピー:「STAY by nature!」
1階がセミナーハウスと炊事・風呂スペース、2階が11人宿泊可能の施設となる。屋外には土窯も備える。利用者が滞在しながら地元の人たちと交流し、野鳥観察や漁師との釣りなど体験できるプログラムを用意。

・セミナーハウスとしては2018年1月にオープンし、今後は宿泊施設としての機能を備える予定で、2018年4月1日現在民泊申請中。
・申請許可および宿泊施設の予約開始は、2018年6月頃を予定。

<「マルゴト」運営体制>
運営:一般社団法人 上関まるごと博物館

●代表理事 高島 美登里
上関自然を守る会共同代表と一般社団法人上関まるごと博物館代表理事を兼任。
19年前より上関の自然を守る会の代表として、日本生態学会・日本ベントス学会・日本鳥学会などの研究者と協力しながら、原発予定地となっている長島・田ノ浦や周辺の上関海域 の自然の希少性生物多様性について調査、発信を行う。

●「マルゴト」管理人 上田 健悟
25歳。福山大学海洋動物行動学研究室を卒業。在学中より上関にてオオミズナギドリの行動生態を研究。2017年より上 関に移住し、山口県における新規漁業経営のための支援制度である「ニューフィッシャー制度」を利用して漁業を学びながら、調査研究の両立をめざす。「マルゴト」のオープンに際し、管理人に就任。