日産、EVタクシー普及に弾み 熊本の会社、全車両を「リーフ」に

EV「リーフ」を導入した、おしろタクシーの込山浩憲社長(左から3人目)と日産のダニエレ・スキラッチ副社長(同2人目)ら=12日、横浜市西区
EV「リーフ」を導入した、おしろタクシーの込山浩憲社長(左から3人目)と日産のダニエレ・スキラッチ副社長(同2人目)ら=12日、横浜市西区【拡大】

 日産自動車は12日、熊本県のおしろタクシー(菊陽町)が保有する全車両を電気自動車(EV)「リーフ」に切り替えたと発表した。EVを全社的に導入するタクシー会社は全国で2社目。高齢化や訪日外国人の急増にともなって、気軽な移動手段へのニーズが強まる中、環境にやさしい“EVタクシー”の利点をアピールして全国的な普及に弾みをつけたい考えだ。

 おしろタクシーは3月、保有する16台のタクシーをすべてEVに切り替えた。いずれも昨年10月に投入した新型リーフ。高速道路の同一車線内を自動運転できる技術や自動駐車機能を備えている。

 この日はリーフ導入の記念式典が横浜市西区の日産本社で開催された。日産の担当者から感謝状を受け取ったおしろタクシーの込山浩憲社長は、EV導入による燃料費の削減効果のほか「高齢化が進むドライバーの安全運転や負担軽減にも役立てたい」と強調した。

 既に同社グループの菊陽タクシーが2012年に液化石油ガス(LPG)を燃料とする車両をリーフに全面刷新しており、毎月の燃料費を約5分の1に削減したという。

 10年に初代を発売したリーフは今年3月末までの累計で約520台をタクシーとして販売している。日産のダニエレ・スキラッチ副社長は、この日の式典で「(EVタクシー)を日本全国に伝播(でんぱ)させたい」と抱負を語った。