自動車大手、AI人材争奪戦 次世代車開発で必須、獲得のカギは「研究環境」 (3/4ページ)

 技術者の転職支援を手がけるメイテックネクスト(東京都台東区)に企業から寄せられる求人は「製品の制御」「電子回路の設計」「IT・AI関連の開発」に携わる人材だ。このうちIT・AI関連の求人数は、集計を始めた16年6月の432人から上昇し続け、今年2月に4倍の1730人に達した。

 ■開発組織を分離、自由度と待遇アップ

 ただ、自動車メーカーが目を付ける技術者には電機や金融など他業種も熱い視線を注いでおり、人材獲得は一筋縄ではいかないのが実情だ。理系学生の厳しい選別の目にもさらされ、かつて多くの学生の憧れの的だった自動車業界の存在は揺らいでいる。就職情報会社のマイナビ(東京都千代田区)が昨春、2018年3月に卒業する見込みの大学生を対象に調査した「就職先企業の人気ランキング」では、09年3月卒まで5年連続で理系学生の首位だったトヨタが、6位と低迷している。

 熾烈(しれつ)な人材争奪戦をどう乗り切るべきか。メイテックネクストの河辺真典社長は「発想力とスピード感が求められるIT業界の思想を開発に取り入れる必要がある」と指摘する。

 その上で、工場との連携や現場経験の積み上げを重んじる従来の開発部門とは一線を画し、自動運転技術を開発する別会社を立ち上げたトヨタの選択を「(人材獲得の)一つの方向かもしれない」と評価した。

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