【フロントランナー 地域金融】京都銀行帷子ノ辻支店の辻川葉子主任(3)


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 ■渉外・窓口も連携 全員営業を推進

 京都銀行の辻川葉子さんは、主任として帷子ノ辻支店の預かり資産の目標管理なども担う。全員営業を推進するため渉外・窓口担当者との連携にも取り組んでいる。

 法人取引先を担当する渉外担当者に対しては、経営者や職域従業員への預かり資産提案のフォローを徹底。渉外担当者がつかんできた経営者の情報などをもとに投資信託での運用や保険活用の提案を組み立てたり、本部の専門担当部署への協力を依頼したりするなど、互いの得意分野を生かした活動を行っているという。

 窓口担当者に対しては、来店した顧客に対する積極的な声かけを依頼。窓口でのニーズ喚起を促進し、個人金融アドバイザーへのトスアップにつなげている。

 「窓口での声かけは成果に直結しにくく、負担に感じる担当者もいるでしょう。私自身、窓口担当者からスタートしたのでその気持ちはよく分かります。大切なのは成功体験だと思いますので、『積み立てはしていますか』『NISA制度はご存じですか』『外国債券の取り扱いが始まりましたよ』など、まずは何でもよいので自分が言いやすいフレーズを探し、声をかけてみるようアドバイスしています」(辻川さん)

 こう話すように、後輩への指導にあたっても相手の気持ちに寄り添うことを忘れない辻川さん。担当者を集めて勉強会などを行うこともあるが、それよりも、個々の担当者に声をかけて話を聞き、各自の状況に応じた具体的なアドバイスを重視している。そうした取り組みが奏功し、新人の窓口担当者の声かけから成約に結びつく事例も出てきた。渉外・窓口との連携から生まれた成功事例は、全体ミーティングなどの機会にどんどん発信。全員営業へのモチベーションアップへとつなげている。

 顧客に寄り添う辻川さんの営業スタイルが全体に波及することで、帷子ノ辻支店の信頼度は今後も高まりそうだ。

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 (編集協力)近代セールス kindai-sales.co.jp