100年単位で1日を見直す! アマゾンの戦略は「孫子の兵法」だった (1/4ページ)

 だから、アマゾンはイノベーションを起こし続ける

 オンライン書店からスタートし、クラウドサービス、電子書籍、物流、そしてスマートスピーカーなど、次々とイノベーションを起こしているアマゾン。一般に、企業は成長するにつれて持続的イノベーションに移ったり、大企業病に陥ったりするものです。なぜ、アマゾンは常にイノベーションを起こすことができるのでしょうか。

※画像はイメージです(Getty Images)

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 ここでは、その背景にあるアマゾンの戦略を「5ファクターメソッド」というアプローチで分析します。このメソッドは、中国の古典的な戦略論である「孫子の兵法」の中でも、特に重要な要素である「五事」を私なりにアレンジし、現代マネジメントの視点から再構築したものです。五事とは、「道」「天」「地」「将」「法」のことです。孫子は、戦力の優劣を判定するカギとして、この5項目を挙げています。それと同じことが、現代における企業の経営戦略にもいえると私は考えています。

 「道」は戦略の中核であり、企業としてどのようにあるべきか、という目標を具体化したミッション、ビジョン、バリューに当たるものです。それを支えるのが「天」と「地」です。「天」は「天の時」、外部環境の変化を予測した「タイミング戦略」のことです。どれだけ時流に即しているか、あるいはスピードを持って変化できるか、ということです。「地」は「地の利」、有利な環境を活かし、不利な環境をカバーする戦略です。企業でいえば、業界構造、競争優位性、立地戦略などを見極め、それに応じて戦い方を変えていく、ということです。「将」と「法」は、戦略を実行に移す際の両輪です。「将」はリーダーシップ、「法」はマネジメントを表します。リーダーシップはコミュニケーションによってモチベーションを上げて人や組織を動かすもの、マネジメントはツールや仕組みを使って人や組織を動かすものです。この5項目を同時に押さえる5ファクターメソッドは、アマゾンのような超巨大企業の戦略を分析するうえでは、最適なフレームワークだと考えています。

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