養殖中のブリ魚群映像をAI解析 NECと日本水産、体長など自動測定

長方形の枠でブリを検出したAIが測定ポイントを設定し体長を測定することを示す画面(NEC提供)
長方形の枠でブリを検出したAIが測定ポイントを設定し体長を測定することを示す画面(NEC提供)【拡大】

 NECは24日、日本水産と共同で養殖中のいけすのブリの魚群映像を人工知能(AI)を使って解析し、体長や体重などを算出する「魚長等測定自動化サービス」を開発したと発表した。今秋の事業化を目指す。

 ブリの魚群を水中カメラで一定時間撮影し、AIでその動画映像を解析。ブリの測定ポイントを特定した上で、体長や体高を自動測定する。それらの値を換算モデル式に当てはめて体重をはじき出す。

 養殖中の魚の測定は年に十数回程度必要とされるが、魚を網ですくい出して測る従来の方法だと人手や時間がかかって非効率のほか、測定する人によって生じる測定誤差の問題も指摘されていた。「水中から魚を1回出すとストレスがかかって病気にかかるリスクが増す」(NEC)課題もあった。

 NECはAI技術が養殖の生産性向上に貢献できるとして今秋のサービス提供開始を目指す。日本水産だけでなく他の養殖業者にも利用してもらえるよう、価格や販売体制を整備する。また、同じ技術をマグロやサケにも適用する研究開発も急ぐ。海外展開を視野に入れており、サケの養殖が盛んな北欧ノルウェーや南米チリの業者への売り込みを想定する。