完全自動運転車実現の「犠牲者」 各分野で考える (2/4ページ)

 ■国内線

 米国では国内移動に飛行機を利用する人が多いが、自律走行技術は自動車旅行をより快適で生産的な代替手段にする可能性がある。日本の新幹線がそうさせたように、乗客は飛行機から自動運転車へと流れていくだろう。

 ■保険料

 今日、交通事故の90%以上は人的ミスによるものだ。そこで「人間を取り除けば路上の安全性向上が見込める」と、保険会社アクサのデービッド・ウィリアムズ氏は語る。当面は手動運転車と自動運転車に対応した2種類の保険が共存し、後者の保険料は最大50%下がる可能性があるとの見方を示している。

 ■車文化

 車が価値ある所有物からオンデマンドの公共施設へ変化していく中、車の荷台を使ったテールゲートパーティーや政治的主張を示すバンパーステッカーなどの米国式文化は過去の遺物となり得る。

 米ミシガン大学の研究によれば、米国では車の所有費用や相乗りサービスの台頭を主因として、運転免許を持つ若者が既に減少している。若者が運転する必要性を完全に失えば、米国の大衆文化と自動車所有との結びつきは弱まっていくだろう。

 ■交通渋滞

 高度な人工知能(AI)を搭載したクラウド接続型車両は自律走行だけでなく、別の車両や信号機、救急サービスとの通信が可能になる。路上の車両数が増えたとしても、こうしたシステムがあれば渋滞回避ルートを探索するなど、都市交通のスピード化や渋滞緩和が図れる。

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