学生優位の売り手市場が続く中で始まった2019年春卒業予定の学生をめぐる争奪戦だが、外国人留学生にも熱い視線が注がれている。留学生限定の合同企業説明会は盛況で、将来の幹部候補としてグローバル人材を採用したい国際的な大企業だけでなく、将来を見据えて内需企業やベンチャーも関心を寄せる。人手不足に悩む企業が女性、高齢者に次ぐ高度人材として、語学が堪能で仕事への意欲も高い留学生に狙いを定めている。
説明会に1000人超
「日本で働きたい。いい会社が見つかった」。企業説明会が解禁された3月最初の土曜日、国内最大級の留学生向け合同説明会「TOP CAREER 2019」に参加した中国人女子大生はこう喜んだ。
この日、東京・新宿の会場に訪れた留学生は1000人超。東大や京大、早慶上智といった上位大学の優秀な学生ばかりで日本語能力も就労意欲も高い。欲しい人材が集まるとあって日本航空(JAL)や日立製作所、三菱UFJ銀行などグローバル企業41社が顔をそろえた。
会場はごった返し、人気のブースでは用意した椅子に座れなかった留学生が立ったまま、担当者の日本語による説明を熱心に聞きながらメモを取ったり質問をしたりしていた。日本語の理解度を試す狙いもあるが、留学生は苦にしていない。阪和興業人事部の三井悠大郎氏は「一人でどんどん市場を開拓する社風に外国人は合うので採用したい。中国人や韓国人に加え、新たな市場開拓先が母国語とするポルトガル語を話せる学生が欲しい」と意気込む。参加企業の担当者から「日本人より就労意欲が高い」との声も聞こえた。