サービス

異彩放った回転寿司店が破綻 「板前愛」と築地のコネも競争に勝てず (1/4ページ)

 回転寿司店「ジャンボおしどり寿司」の運営会社が経営破綻した。築地のコネも武器に従来の回転寿司とは一線を画して業績を伸ばしてきたが、業界の競争激化を印象付けた格好だ。(東京商工リサーチ特別レポート)

◆築地の仲卸からスタート、ジャンボなネタが売り

 神奈川県を中心に展開しているエコー商事(横浜市、柏木克彦社長)が4月2日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。負債は15億3032万円だった。

 「ジャンボ」な寿司ネタで、価格は一皿120円~760円。100円均一の回転寿司店とは一線を画し、業績を伸ばしていた。だが、過去の投資や積極的な出店の失敗によって多額の借入金を抱え、2014年10月中小企業再生支援協議会に支援を要請。経営改善に着手し、黒字計上に漕ぎつけたが、金融債務の削減は難しく民事再生法の適用で再建を図ることになった。

 エコー商事は1982年1月、築地市場の仲卸人だった柏木克彦社長が設立した。「ジャンボおしどり寿司」の屋号で、三島店(静岡県)を皮切りに、神奈川県内の郊外に出店、最盛期の2007年12月期には売上高約30億5800万円をあげていた。

 築地市場の買参権(都知事の承認を得て卸業者から直接購入できる権利)を持っていて、独自の仕入で魚介を安く仕入れることができ、自社所有のトラックを使った物流システムなどで、新鮮なうちにすばやく提供できた。また、職人がお客の目の前で寿司を握るパフォーマンスなども特徴的だった。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus