中国首相がトヨタ工場視察 EVなど先端技術に関心

 来日中の中国の李克強首相は11日、北海道苫小牧市のトヨタ自動車の関連部品工場を視察した。安倍晋三首相も同行。トヨタの豊田章男社長が出迎え、李首相が高い関心を寄せる電気自動車(EV)などの先端技術について説明した。

 視察したのはトヨタ子会社のトヨタ自動車北海道。無段変速機(CVT)などの主要部品を生産し、世界各地のトヨタ工場へ供給している。

 工場内には、完全自動運転のEVの試作車「e-Palette(イーパレット)コンセプト」や、燃料電池車「MIRAI(ミライ)」を展示。トヨタ側の説明を受けながら、李首相は「走行可能距離はどのくらいか」などと矢継ぎ早に質問を飛ばしていた。視察後、豊田社長は記者団の取材に「李首相は、未来の新技術に関心を持っておられるようで、体と言葉で強い関心を示していただいた」との感想を語った。

 日本政府関係者によると、工場の視察は中国側が希望した。李首相は経済の構造改革を進めるため、企業の技術革新力を重視。中国はEVなどの普及を加速させる方針を示しており、同工場を視察先に選んだとみられる。(共同)