【eco最前線を聞く】GINZA SIX、先進技術で地域にも貢献

ギンザシックスの屋上庭園。都心の一等地に造られた大規模緑地は環境負荷低減に貢献する=15日、東京・銀座
ギンザシックスの屋上庭園。都心の一等地に造られた大規模緑地は環境負荷低減に貢献する=15日、東京・銀座【拡大】

 □森ビル設備設計グループチームリーダー・橋山昌和氏

 2017年4月に開業した東京・銀座の大型複合施設「GINZA SIX(ギンザシックス)」は環境にも配慮。先進的な環境技術を駆使するとともに、高効率の設備機器やシステムの導入により環境負荷の低減に注力。緑豊かな屋上庭園はヒートアイランド現象を緩和するほか、建物内に地域冷暖房施設を整備し既存プラントとの連携により地域全体の省エネルギーにも貢献している。ギンザシックスの設備設計に環境面から関わってきた森ビルの橋山昌和・設計部設備設計部設備設計グループチームリーダーに環境負荷低減に向けた取り組みなどを聞いた。

 ◆電気、想定の60%に抑制

 --屋上緑化の狙いは

 「地域の憩いの場創出とヒートアイランド現象の緩和を狙いに、銀座エリア最大となる約4000平方メートルの屋上庭園のうち約2200平方メートルを緑地化。コンセプトの一つが『江戸の庭園文化』で、銀座で誕生した日本初の街路樹といわれるサクラ、カエデ、マツなど四季の移ろいを感じる樹種を植えた。また土壌の厚さは1メートル程度あり、高さ10メートルの高木が生育できる環境を整備した」

 --オフィスの環境配慮は

 「先進的な高効率設備機器やシステムを導入し積極的に環境負荷の低減、つまり二酸化炭素(CO2)排出量の削減に取り組んでいる。事務所の執務スペースにLED照明を採用するとともに、照明はSBEMS(シミュレーションによるビルエネルギー管理システム)によってデータ管理し、想定より電気使用量などが多いところはその理由を分析・解析して改善につなげている。電気は想定の60%に、熱量は75%に抑制。CO2排出量は想定より20~30%削減できた」

 --オフィススペースは広い

 「1フロアの広さはサッカーコート1面に相当する。環境配慮には高効率化が必要で、空調・照明制御(ON/OFF)については利用者個々が手元のモバイル端末で操作できる仕組みを作り、省エネを図っている。窓には断熱・遮熱性能に優れたLow-e複層ガラスを採用し室内に侵入する熱量を抑えた。ひさし効果も大きい。こうした取り組みで建物全体のPAL削減率(建物の断熱・遮熱性能)、ERR(設備の省エネ効率)とも最上位の段階3をクリアしている」

 ◆熱供給、地区の35%カバー

 --水利用については

 「商業施設にはレストランも多く入っており、厨房(ちゅうぼう)からの排水を処理し中水として再利用している。オフィスや商業施設で使う水の半分を中水で賄えている。つまり水使用量を半減することができたわけだ。雨水を再利用できるように貯蔵設備も設置している」

 --地域への環境貢献は

 「ギンザシックスは銀座5・6丁目地区地域冷暖房区域内にあるが、1987年に熱供給を開始した既存プラントでは需要に対応できないため、建物内に高効率の設備を導入した第2プラントを新設。地区の35%を賄うことができるようになり、全体のエネルギー効率を向上させただけでなく、CO2削減率も当初想定の6%から10%程度に拡大することができた」

 --外部からの評価は

 「屋上庭園は、社会・環境貢献緑地評価システム(SEGES、主催・都市緑化機構)から『緑の創出により社会・環境に貢献する開発事業』『緑のオアシス』として認定を取得。また建物の排煙ダクトと空調設備の給気ダクトの兼用が、火災時に機械的に空調を停止させて煙の拡散防止につながるとして、17年度の『優良消防用設備等消防庁長官表彰』を受賞した」(松岡健夫)

                  ◇

【プロフィル】橋山昌和

 はしやま・まさかず 中央大理工学部卒。1995年須賀工業入社。2007年森ビルに移り設備設計部。13年設備設計グループチームリーダー。東京都出身。45歳。