院政に「NO」…上場企業の18%、相談役・顧問を廃止 透明性とスピード高める (2/2ページ)

多くの上場企業が相談役・顧問制度を見直している。影響力を高める海外投資家らが、経営の透明性を疑問視していることが大きい
多くの上場企業が相談役・顧問制度を見直している。影響力を高める海外投資家らが、経営の透明性を疑問視していることが大きい【拡大】

 特に問題視されるのが、トップを退いた後も盛んに経営へ口出しするケース。現経営陣の意思決定のスピードが遅れたり、思い切った経営判断をしづらくなったりするため、株主からは「誰がトップかわからない」と疑問の声が挙がる。相応の役割を果たせない相談役らに秘書や送迎車を用意している実情も「無駄遣い」と批判されている。

 メリットもあるが…

 経産省による調査後も制度見直しの動きは広がり、パナソニックや三菱UFJ銀行、日本たばこ産業(JT)などが廃止を発表。パナソニックは「外部からみた経営の透明性を高めるため」と説明している。

 ただ、経験豊富な相談役らから助言を得られるメリットがあるほか、財界活動を相談役らに任せる企業もある。日本総合研究所の石川智久・関西経済研究センター長は「それぞれの企業が必要性やあり方を見極めるべきだ」としている。