【視点】ベンチャー企業の生き残り方 少短保険会社、独自開発にこだわり (1/3ページ)

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 □産経新聞編集委員・松岡健夫

 「通勤・通学の思いがけないトラブルに… 『わたしの弁護士』という保険」。5月の連休中、都内の地下鉄車内で見かけた広告だ。毎日の通勤・通学で暴力を受けたり、酔っ払いに絡まれたりと予期せぬトラブルに巻き込まれたとき、無料で弁護士に電話ができ適切なアドバイスをもらえる。保険料は1日10円。引受保険会社はジャパン少額短期保険と書かれていた。昨年の今頃、都内で痴漢を疑われ線路から逃走する事件が相次ぎ報道されて話題になった「痴漢冤罪(えんざい)ヘルプコール付き弁護士費用保険」を扱っている少額短期保険会社だ。

 「こんな保険がほしい」という声に応えてきたのが少短会社で、消費者にとって頼りになる保険会社として存在感を高めている。小口で収益性が乏しいと判断すれば開発を見送る保険大手と違い、少短はニッチ商品でも顧客が求めるなら商品化に取り組む。こうした姿勢が評価され、コンビニエンスストアのような身近な存在として契約者を獲得。商品がシンプルで分かりやすく、特定の疾病などにフォーカスしており、消費者に支持されやすいからだ。結果として「日本初」「業界初」の商品が多い。

 少短が誕生したのは2006年。保険業法改正でそれまで規定されていた生保・損保以外の業態として認められた。しかし、当初は生損保市場から切り離され、小ロット市場(保険金額1000万円以下、保険期間2年以内)に閉じ込められた。

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