金融

スルガ銀、貸倒引当金の積み増し影響で最終利益が半減 シェアハウス融資で第三者委設置も

 スルガ銀行が15日発表した2018年3月期連結決算は、最終利益が前期比50.5%減の210億円と大幅減益となった。11年3月期以来、7年ぶりの減益。運営会社が経営破綻した女性向けシェアハウス「かぼちゃの馬車」をめぐる融資で焦げ付き、リスクが高まったことから貸倒引当金を積み増したことが響いた。

 かぼちゃの馬車をめぐっては、運営会社の破綻に伴い、物件の所有者が約束された賃料収入を得られないケースが続出している。スルガ銀は物件所有者の大半となる約700人に購入資金の計千億円超の建設資金を融資。一部の所有者に対し、金利引き下げや元本返済の猶予など、返済条件の見直しを進めている。同行は今回、所有者の返済能力や、担保にしている建物、土地の価値などを踏まえ、将来返済されなくなるリスクを精査した。

 今回の問題で、スルガ銀行の融資書類に改竄(かいざん)が発覚したほか、複数の行員が審査書類の改竄を認識していたことが分かっている。

 スルガ銀行の米山明広社長は15日の決算会見で、シェアハウスをめぐるずさんな融資に関し「お客さま、株主に多大なるご迷惑とご心配をおかけしたことをおわび申し上げる」と謝罪。併せて原因究明のために第三者委員会を設置すると発表した。また、同日の会見で、シェアハウス向け全体の融資は3月末時点で総額2035億円。顧客は1258人だったことも明かした。

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