【ビジネス最前線】野州たかむら 3度の災害から再稼働 飴製造で全国展開目指し商品企画力を強化 栃木・茂木 (2/3ページ)

開発した自社ブランド商品を手にする小崎和江社長。本格的に全国展開を目指す=茂木町茂木
開発した自社ブランド商品を手にする小崎和江社長。本格的に全国展開を目指す=茂木町茂木【拡大】

 昭和61年8月の台風10号では、台風から変わった低気圧の接近で大雨となり、逆川が氾濫。茂木町中心部では町役場が2メートル近い浸水で機能が完全に失われた。このとき水没した工場は移転。鉄筋コンクリート3階建ての工場を建設し、あめ・キャンディー専門に再稼働した。

 平成23年の東日本大震災では、工場内の壁が割れるなど被災。約3カ月で再稼働にこぎつけ、24年3月に小崎社長が3代目を継いだ。1年をかけて建て直した工場だったが、今度は竜巻の直撃を受けた。

 同年5月、ゴールデンウイーク最終日。窓ガラス90枚が砕け、天井に穴が開いた。小崎社長は「一瞬にして廃虚のようになってしまい、さすがにもうやめようかと思った」と振り返る。

 それでも従業員や友人たちの協力があり、工場を再建。「海外にはない品質と技術力を持っている会社と再確認でき、乗り越えることができた」

 ●改善に取り組み

 文字通り会社を“建て直し”、取り組んできたのは自社ブランドの開発。新たなニーズの開拓にもつながり、県のプロジェクトによる生産性向上にも取り組んだ。日産自動車の改善の専門部隊、NPW改善コンサルティング室の尾崎和仁さんの指導を受け、一歩ずつ改善に取り組んだ。その結果、生産性は35%も向上するなど成果は上々。22日の報告会で発表する。

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