「旭化成住工」のビオトープ設置から1年 絶滅直前のトンボなど飛来、生物の憩いの場に (1/2ページ)

ビオトープで見つかった、県指定の希少種「ヨツボシトンボ」(旭化成住工提供)
ビオトープで見つかった、県指定の希少種「ヨツボシトンボ」(旭化成住工提供)【拡大】

  • 旭化成住工につくられたビオトープの調査に立ち会う中島俊介社長(右)。「地域への恩返しの一つに」と話す=東近江市

 住宅建材メーカーの旭化成住工(滋賀県東近江市湯屋町)が、環境保護を目指し工場も併設する敷地内にビオトープ(生息・生育空間)を設けて約1年となった。これまで周辺を含めて確認されたトンボの種類は6倍強に増えたほか、希少種の昆虫の生息も確認。生物の憩いの場になりつつある。

 同社工場は昭和49年操業開始。約14万平方メートルの敷地で、旭化成ホームズの注文住宅「ヘーベルハウス」の部材を生産する。同所に立地する際、ため池を埋め立てるなどしており、周辺の環境保全もテーマとしてきた。その一環でビオトープを整備した。

 ビオトープは約800平方メートル。同社が立地する際に埋め立てた6つのため池のうち、3つを再現した。そのうち2つの水深は30センチと15センチ。あと1つは、降った雨をためる。水深が違う池を用意することで、多様な生物の生息を目指した。

 池の周囲に植えたヨシやミクリなどは、環境に負荷がかからない程度で半径2キロ以内のため池などから移植している。ビオトープのコンセプトづくりで協力した環境調査会社のラーゴ(近江八幡市多賀町)は「周辺地域での理想の環境を再現した」とする。約800万円かけ、昨年6月に完成した。

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