ソニー、モビリティー新事業を示唆 PS4ネット会員、1億人規模に

取材に応じるソニーの吉田憲一郎社長=23日、東京都港区
取材に応じるソニーの吉田憲一郎社長=23日、東京都港区【拡大】

 ソニーの吉田憲一郎社長は23日、フジサンケイビジネスアイなどの取材に応じ、将来の成長につなげる新事業として「動くものをやりたい」との考えを明らかにした。

 ソニーは今年2月、日の丸交通など東京のタクシー大手6社と合弁で新会社を設立し、人工知能(AI)を使った配車サービスに乗り出すと発表。吉田氏は、そこで収集した走行データを基にモビリティー関連の事業化を検討する考えを示唆した形だ。

 また、販売不振から2019年3月期に150億円の営業赤字を予想するスマホ事業については、「しっかり立て直しに取り組む必要がある」と強調。スマホの商品力が課題だとし、デジタルカメラ事業で高い実績を残した石塚茂樹執行役の指揮の下、スマホ利用の中でも頻度が高いカメラ機能の強化を軸に「商品力を上げていく」と述べた。収益改善に向けスマホの部材調達から製造、物流、販売の効率化に取り組むことでコストを抑制し、早期の営業黒字化を目指す考えも示した。

 一方、ソニーのゲーム事業子会社のソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の小寺剛社長も23日、吉田氏とは別に取材に応じ、主力の家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)4」の会員制ネットワークサービスの月間利用者数について、現在の8000万人から1億人まで増やす考えを示した。

 小寺社長は、ゲーム事業の成長を支えるPS4の会員制ネットワークサービスの会員数について「1億人規模の利用者と関係を持てるプラットホーム(基盤)を目指す」と述べ、利用者の拡大に取り組む考えを強調した。ただ、達成の時期については、20年度までの3年間の中期経営計画を「越えた視線で目指すべき数字だ」として、明言はしなかった。(今井裕治)