【現場の風】オリックス自動車・工藤麻衣子さん 安全運転意識高める契機に


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 □オリックス自動車 リスクコンサルティング部 Ever Driveデスク マネジャー・工藤麻衣子さん(44)

 --運転見守りサービス「Ever Drive」が話題だ

 「車載器を貸し出して高齢者の運転を家族が見守るというこれまでにないサービスで、高齢者の免許の更新が厳重化されるなど社会的な背景もあり注目していただいている。速度超過、急加速、急減速などが検知されたら、最大5人の家族にメールが送られ、運転機能の低下を事前に察知することができるようになる」

 --開発のきっかけは

 「もともと法人の営業車両向けに同様のサービスを提供していた。運転データをみることでドライバーの意識が変わり、リスクの高い行動が減ることが確認できたことで、個人向けにも転換が可能と判断し昨年2月から商品化した」

 --実際に利用した人の反応は

 「親が高齢になると漠然とした不安を抱える人は多いが、免許返納の話題を出すのは難しい。こうした商品を使うことで客観的に現状把握が可能となる。実際は安全な運転をしていることが分かり安心したという声も多い。高齢者にとっても、安全運転ができていることを家族に証明することもできる。共通の話題ができることで、親子のコミュニケーションが増えるという副次的な効果も出ている」

 --今後はどう広めていくか

 「2月から日産自動車の正規中古車販売店で紹介する取り組みを始めたほか、ローソンの介護拠点併設型店舗(ケアローソン)でも提案してもらっている。自分の運転は大丈夫だと考える人は多いが、認知機能は65歳くらいから低下し始めるとされ、運転機能も同じように衰える。元気なうちに安全運転への意識を高めてもらい、運転期間を引き延ばすお手伝いをしたい」

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【プロフィル】工藤麻衣子

 くどう・まいこ 法政大経営学部卒。1996年オリックス・オート・リース(現オリックス自動車)入社。リスクマネジメントなどの部門を経て2017年3月から現職。群馬県出身。