ものづくりの未来 岐阜・高山で考察 産地カンファレンス開催

 手作業が中心となる伝統工芸や、ものづくりの未来を考える会議「産地カンファレンスin高山2018」が2日間の日程で岐阜県高山市で開かれ、全国各地の伝統工芸品の職人など約400人が参加した。

 地元高山で飛騨家具の製造を手掛ける飛騨産業の岡田贊三社長が「飛騨の匠を育てる」と題して基調講演を行い、職人を育成するための養成所「飛騨職人学舎」を2014年から開設していることを紹介。「これからも全力でものづくりに賭ける若い人を応援したい」と語った。

 パネルディスカッションでは、石川県輪島市で輪島塗の塗師を務める赤木明登氏、生活雑貨工芸品を手掛ける中川政七商店(奈良市)の中川政七会長らが登壇。

 日本の工芸品出荷額がピークだった1983年の5分の1にまで落ち込み、少子高齢化や過疎化で後継者不足が深刻になっていることなどの課題が紹介された。

 赤木さんは「伝統工芸の世界は個人業が中心。できる限り法人化し、社員を雇って技能を継承し、全国から仕事を受けるような枠組みを作る必要がある」と指摘。

 中川会長も「作り手の顔が見えるものづくりが求められている」などと語った。

 2日目は、参加者が飛騨産業の工場を見学し、ものづくりの現場を体感した。