EV急速充電で日中が協力 世界標準規格 主導権争いリード

電気自動車用の急速充電器(右)=兵庫県篠山市
電気自動車用の急速充電器(右)=兵庫県篠山市【拡大】

 電気自動車(EV)の急速充電器をめぐり、日本独自の充電規格「CHAdeMO(チャデモ)」を推進しているチャデモ協議会が、中国企業から次世代規格の共同開発を打診されたことが分かった。チャデモ協議会は応じる方向で技術的な検討を始めた。実現すれば世界標準規格の主導権を日中で握りそうだ。

 チャデモ協議会が2018年度活動方針で明らかにした。提案したのは国有送電大手の国家電網で、現在日中などが採用している技術を基に充電方式やプラグの形状が同じ世界標準を策定するとしている。20年ごろの実用化を目指しているようだ。

 チャデモ協議会は中国と組む利点について、車両と充電器の共通部分の費用が減り、設計変更なども容易になるとしている。欧米勢の別規格「コンボ」や、インドとも今後の協力で議論を続ける。

 中国は環境規制を強化しており、19年からEVなどの生産を一定の割合で義務付ける方針。将来的にはガソリン車とディーゼル車の生産と販売の停止も検討している。トヨタ自動車や日産自動車、ホンダ、マツダといった日本勢は中国市場での新型EVの発売を急いでいる。

 EVは1回の充電による走行距離と、充電時間が普及への課題となっている。チャデモの急速充電器は今年3月末で国内に7241基、海外では欧米を中心に約1万800基が設置されているという。

 チャデモ協議会は車や部品メーカー、電力会社などが会員となっている。