deCODE geneticsが発表:古代アイスランド人のゲノムにより人類集団の形成が判明

 deCODE geneticsが発表:古代アイスランド人のゲノムにより人類集団の形成が判明

 AsiaNet 73763 (0965)

 【レイキャビク(アイスランド)2018年6月1日PR Newswire=共同通信JBN】deCODE geneticsの科学者は1日発表された研究で、古代のDNAに基づいたアイスランド人の形成およびその後の進化に関する新たな発見を報告した。研究は同日、米誌サイエンス電子版(http://www.sciencemag.org/ )に掲載された。

 アイスランドはおよそ1100年前、バイキング時代の全盛期に建国された。定住者の第1世代に属する25の古代の頭蓋骨から得たゲノムの配列決定(シークエンシング)ならびにアイスランド、スカンジナビア、ブリテン、アイルランド諸島の現代の住民から得たゲノムとの比較により、deCODEのチームは、定住者のほとんどがノース(古代ノルウェー)人またはゲール人の非混血の祖先を持っていたことを証明することができた。アイスランド到着時にすでに混血だった定住者も存在し、ブリテン・アイルランド諸島のバイキング定住者に由来したと推定される。アイスランドでノース人を祖先に持つ人の割合は定住時の57%から現在の70%に増加した。この変化は、その多くがアイスランドへ奴隷として連れて来られたゲール人定住者の低い繁殖成功率によって説明される可能性がある。また別の寄与要因は、デンマークからの移住が遅かったことかもしれない。

 この研究の驚くべき発見は、遺伝的浮動の結果、現代のアイスランド人はスカンジナビアおよびブリテン・アイルランド諸島の祖先から分岐した一方、バイキング時代の定住者はこれらのソース集団の現代の代表者と実質的に区別ができないということである。最後に、この新しい研究は古代のDNAに基づきクラインフェルター症候群を持つ個体の最初の発見を報告した。

 論文の著者であるアグナル・ヘルガソン氏は「過去7万年の間の人類の世界各地への広がりにおいて、民族間の混血と新たな土地の植民は繰り返し登場するテーマである。われわれの、バイキング時代のアイスランド人の歯から得たDNAの研究は、混血によってどのように新たな集団が形成されるかについての初めての詳細な調査報告を提供する」と述べた。

 この論文の著者でもあるdeCODEのカリ・ステファンソン最高経営責任者(CEO)は「度重なる飢饉と疫病によってアイスランドの遺伝子プールの配列多様性は大きく損なわれ、スカンジナビアおよびブリテン・アイルランド諸島のソース集団からの浮動を引き起こした。この研究はどのように集団が環境によって形成されるかの魅力的な例であり、このケースでは中世アイスランドの過酷で辺境の地という条件である。これは、われわれの小さいながらも明確な特徴を持つ集団が、人類を形作る基礎的な遺伝的および進化のプロセスの理解に重要な貢献をし続けることができることの1つの証左でもある」と語った。

 アイスランドのレイキャビクに本社を置くdeCODEはヒト遺伝子の分析・理解における世界的リーダーである。独自の専門技術と人的資源を活用し、deCODEは数十の通常疾患の遺伝的リスク要因を発見した。疾患の遺伝的特徴を理解する目的は、その情報を活用し、疾患の分析、治療および予防の新たな方法を作り出すことである。deCODEはAmgen(NASDAQ: AMGN)の完全子会社である。

 ソース:deCODE genetics