DMG森精機、デジタル化へ対応強化 東京に技術開発拠点を開設

DMG森精機東京イノベーションセンタに展示されているサキコーポレーションの半導体検査装置=1日、東京都江東区
DMG森精機東京イノベーションセンタに展示されているサキコーポレーションの半導体検査装置=1日、東京都江東区【拡大】

 工作機械大手のDMG森精機は1日、デジタル分野の技術開発拠点となる「東京デジタルイノベーションセンタ」(東京都江東区)を開設した。半導体検査装置開発のサキコーポレーション、微細測定機器開発のマグネスケールの2つの子会社の本社も同施設に入居し、グループ全体でものづくりの世界のデジタル化への対応を強化する。

 施設の1、2階にはサキコーポレーションが入り、各種半導体検査装置の実演展示のほか、顧客企業が持ち込んだサンプルを活用し、新たな検査技術の共同開発にも取り組む。3階に入ったマグネスケールは、工作機械や半導体製造装置に欠かせない位置決めセンサーなどを開発している。

 このほか、野村総合研究所(NRI)との合弁会社のテクニウムも入居。会員制ウェブサイトを通じて顧客企業の生産設備や加工ノウハウなどを一元的に管理。DMG森精機が持つ加工技術に関するデータベースと組み合わせて、最適な加工プログラムを提案。生産現場の課題解決を後押しする。さらに昨年に開設した先端技術研究センターも移設し、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)に精通した技術者を育成する。

 開所式であいさつしたDMG森精機の森雅彦社長は「あらゆる国で使われている工作機械にソフトウエアやIoTでつなげることで、ものづくりのプラットフォームを目指したい」と語った。