JAXA事業開放、超小型衛星放出を民間委託 三井物産など第1号

 三井物産と宇宙利用ベンチャーのスペースBD(東京都中央区)は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が実施する国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」から超小型衛星を放出する事業を受託した。

 超小型衛星を利用するビジネスでは、地上のインフラ監視や通信網構築への活用が期待されており、これまでJAXAが有償で行ってきた衛星放出事業は今後、民間企業が顧客を開拓し、市場調査から衛星搭載技術の支援などを行う。JAXAは、国際協力などに限定して衛星放出を行っていく。

 三井物産は3月、米宇宙関連ベンチャーのスペースフライト・インダストリーズ(ワシントン州)への出資を発表。スペースフライトは、民間ロケットの空きスペースを利用し小型衛星を打ち上げる仲介・販売事業を展開するが、今後は自社で小型衛星を打ち上げる計画で、三井物産は鉱山開発や農業分野での画像分析サービス利用などを仲介する計画。スペースフライトとの協業で宇宙関連サービスのノウハウを蓄積したい考えだ。

 今回の入札はJAXAによる超小型衛星放出サービスの民間開放の第1弾。JAXAは今後の需要拡大をにらみ「きぼう」の衛星放出用装置を増やし、2020年度には年間約100基を放出できる能力を拡大する。