ITサービスには、車両の販売後も継続的に収益を生み出したいとの思惑もあり、他の商用車大手も取り組みを拡充する。
いすゞ自動車は15年に大型トラック「ギガ」に、車両の運行データを集め、運行管理者の支援につなげる車載機器を標準装備。「顧客との接点を強めるサービスで他社との差別化を図る」(同社の営業企画部)ため、今後は中小型トラックへの標準装備を目指す。
三菱ふそうトラック・バスは、20年までに車両管理支援サービスに対応するコネクテッドカー10万台を国内外で販売する計画。また、4月に同様のサービスを本格化させた日野自動車は、6月1日にITなどを活用して効率的な物流システムを開発する新会社を全額出資で設立した。運転手と車両、荷物の関連情報を高度に活用したシステムを19年秋をめどに事業化したい考えだ。(臼井慎太郎)
◇
■商用車メーカー各社の「つながる車」向けサービス
≪いすゞ自動車≫
・主な特徴
車両の運行管理や省燃費運転から乗務員の労務管理まで一貫支援
・車両数
約2万5000台
≪日野自動車≫
・主な特徴
運転時に作動した安全装置の情報や緊急時の車両位置を管理者が確認
・車両数
約1万台
≪三菱ふそうトラック・バス≫
・主な特徴
車両を診断し故障を予防するほか、省燃費運転や安全運転も後押し
・車両数
約3000台
≪UDトラックス≫
・主な特徴
異常が生じた車両の情報を分析し、必要に応じ修理の専門家を派遣
・車両数
約4万5000台
※車両数はサービス対応可能な現時点の商用車の数