【トップは語る】東京スター銀行 実店舗増で顧客密着、大手行と差別化


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 □東京スター銀行頭取・佐藤誠治さん(59)

 --店舗面積を通常の2割程度に抑えた「超小型店舗」を増やしている。5月25日にも東京・三軒茶屋に3店目を開いたが、その狙いは

 「銀行店舗の役割は大きく変わってきた。来店客数は10年前と比べ半減に近く、各行が統廃合を進めている。ただ、われわれの店舗は預金を集めるための場所ではなく、落ち着いて資産運用やローンの相談をするスペースだ。世の中では人工知能(AI)が銀行業務に取って代わるといわれるが、AIから人生に関わる説明を受けて納得できるとは思えない。信頼関係を築くには実店舗が必要だ。費用対効果を考えて小型で、来店しやすいようターミナル駅ではなく住んでいるところの近くがいい」

 --テレビ電話で本店内にあるバーチャル支店と直結して、専門的なアドバイスもする

 「移動やコミュニケーションなど、お客さまにかかるストレスを減らすことができる。外国語の通訳や、聴覚障害の方には手話を使った対話も可能だ」

 --大手銀行が店舗整理を進める中で逆を行く

 「同じことをしても差別化できない。フィンテックはパワーゲームだ。日本企業がグーグルやアマゾンに勝てるのか。投資規模ではメガ銀行でも太刀打ちできない。みんながデジタルというなら、われわれはアナログで人間くさく、しかも効率的にサービスを提供したい。お金の心配を解消できる“かかりつけ医”のような存在だ」

 --超低金利が続く中、給与振り込みにすれば年利0.1%の普通預金口座を設定して話題を呼んでいる

 「日本で一番得な給与振込口座ではないか。コンビニエンスストアを含むATM(現金自動預払機)手数料も月8回まで無料だ。預金を増やしたいのではなく、お客さまを増やしたい。役に立つ銀行だと認識してもらい、近くの店舗に顔を出してもらうサイクルができればいい」

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【プロフィル】佐藤誠治

 さとう・せいじ 早大政経卒。1982年東京貿易(現・東京貿易ホールディングス)入社。89年三井銀行(現・三井住友銀行)入行、バンコック支店長などを経て2013年常務執行役員。15年三井倉庫ホールディングス取締役。16年東京スター銀行副頭取、17年から現職。香川県出身。