【トップは語る】オリンパス 自前主義では限界、M&Aに意欲


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 □オリンパス社長 笹 宏行さん(62)

 --2021年3月期末に売上高1兆円を目指す中期経営計画の達成が2、3年遅れる見通しだ

 「今期は売上高8000億円を見込むが、欧米で内視鏡をはじめとする医療機器への法規制が厳しくなったため、対応に人手を取られて新製品投入などが遅れるためだ。ただ、計画の方向性自体は変わらない」

 --今後、人工知能(AI)をどう活用していく

 「例えば、内視鏡とAIを組み合わせて病巣部を見つける技術的ハードルは高くない。だが、それを確定診断につなげる段階までは時間がかかるだろう。各国の診断基準も異なり、認可の進捗(しんちょく)次第としかいえない。内視鏡は、メーカーが持つ技術と医師による診断の『二人三脚』で発展してきた。AI活用についても同じだろう」

 --M&A(企業の合併・買収)の方針は

 「AIやIoT(モノのインターネット)の進化は早く、自前主義では限界がある。昨年、診断画像の管理・閲覧システムを手掛ける米国企業を買収したが、今後も必要に応じて『時間を買う』考えだ」

 --売上高の8割を海外で稼ぐが、大半は欧米先進国だ。アジアの見通しは

 「内視鏡は病気の早期発見と患者の負担軽減、医療費抑制に役立つ。医師のトレーニングと機器メンテナンスの両輪で広げる。トレーニング拠点は中韓4カ所のほかタイにあり、ここを周辺諸国の医師に活用してもらう」

 --デジタルカメラの中国生産を終え、ベトナムに集約して効率化する

 「事業の軸は医療機器だが、一般向けのデジカメは技術開発の原動力であり、量産ノウハウを活用する上でも引き続き重要だ。全方位の品ぞろえではなく、アウトドアでの撮影や“カメラ女子”を意識した小型・軽量の機種に特化して販売を伸ばしたい」

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【プロフィル】笹宏行

 ささ・ひろゆき 早大院修了、1982年オリンパス光学工業(現オリンパス)入社。子会社オリンパスメディカルシステムズの第1開発本部長やオリンパスのマーケティング本部長などを経て2007年執行役員、12年4月から現職。東京都出身。