「10年後、20年後には、この国の基幹産業に」 オールジャパンで挑む夢の新薬製造 (1/4ページ)

塩野義製薬の手代木功社長やペプチスターの窪田規一社長らが出席した地鎮祭=大阪府摂津市
塩野義製薬の手代木功社長やペプチスターの窪田規一社長らが出席した地鎮祭=大阪府摂津市【拡大】

  • 来春に竣工予定のペプチスター本社と工場(イメージ)

 次世代の医薬品として世界が注目する「特殊ペプチド医薬品」の実用化を目指して、製造工場の着工が6月、大阪で始まる。安定供給できる製造技術を確立し、世界の追随を許さない日本発の新産業を興そうと、日本の企業10数社が技術と資金を出し合った。オールジャパンの技術と知力を集めて目指す、夢の新薬への第一歩を踏み出した。(安田奈緒美)

 国の基幹産業に

 「10年後、20年後には、この国の基幹産業に位置づけられるようにしたい」

 5月28日、特殊ペプチド医薬品の原薬を製造販売する「ペプチスター」(大阪府摂津市)の本社工場の地鎮祭が開かれた。記念式典でこう意気込んだのは、窪田規一社長だ。

 「特殊ペプチド医薬品の市場を作っていくために製造工場は不可欠。世界に冠たる受託製造工場にする」と話す。将来の市場規模を50兆円と試算し、「そのうちの原薬市場の8割、4兆円の売上高を目指している」とも語った。

 ペプチスターは昨年9月、特殊ペプチドの合成技術の特許を持つ東大発ベンチャー「ペプチドリーム」と、塩野義製薬、積水化学工業が出資して設立した合弁会社だ。本社工場の着工は6月20日に始まる予定で、来年9月の稼働を目指す。

 特殊ペプチド医薬品とは聞き慣れないが、「中分子医薬品」とも称される。これまで創薬の中心だった錠剤などの「低分子医薬品」より副作用が少ない一方、効果が高いがコストも高い「高分子」の「抗体医薬品」に比べて安価に製造できるとされる。ちなみに、がんの免疫治療薬「オプジーボ」は抗体医薬品のひとつだ。

「大阪の摂津から世界に原薬を」