福島第2原発廃炉へ 社長のリーダーシップ強調

福島県の内堀雅雄知事と会談する東京電力の小早川智明社長(右)=14日午前、福島県庁
福島県の内堀雅雄知事と会談する東京電力の小早川智明社長(右)=14日午前、福島県庁【拡大】

 福島第1原発事故から7年以上を経て、第2原発の廃炉方針がようやく表明された。再稼働に必要な地元同意の見通しはなかったが、「国のエネルギー政策や、第1原発の廃炉のバックアップなどを総合的に勘案する」として結論を先送りしてきた東電。“苦渋の判断”の背景には、6月下旬で就任1年となる小早川智明社長の主体性と、地元と向き合う姿勢を示す狙いがあるとみられる。

 「廃炉方針は取締役会で了承されたが、あくまでも社長が判断した」。14日夕の第1原発に関する会見で、東電側は小早川氏のリーダーシップを強調した。

 「主体性」は東電が経営再建の柱とする柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の合格の前提だった。小早川氏は昨年8月、「廃炉で主体的に関係者に向き合い、やり遂げる」などとした文書を原子力規制委員会に提出。規制委はこれを原発の保安規定に書くことを条件に昨年12月、合格させた。

 しかし、規制委から「東電は半年間、何をやってきたのか」などと疑問が出始め、5月30日の臨時会合では国の小委員会が処理方法を検討しているトリチウムを含んだ処理水について、小早川氏に「国の結論を待っているのはリーダーシップとはいえない」と厳しい批判が浴びせられていた。

 ただ、第2原発の廃炉の判断は遅く、主体性の印象は薄い。第1原発では今後、溶融核燃料(デブリ)の保管、搬出など地元の理解が必要な課題が多く、東電の姿勢が試される。(鵜野光博)