【ハザードマップ】エムエルエー/福老(旧イデアクエスト)

 ■1社過度依存 リスクヘッジに問題

 ▼エムエルエー エムエルエーは5月7日、奈良地裁へ破産を申請し、同月18日に破産開始の決定を受けた。

 同社は設立以来、賃貸用アパートの建築・管理を手掛けるレオパレス21の1次下請けとして事業を展開。ほぼ同社1社を受注基盤として材料支給の下で建築工事を手掛け、2009年3月期には過去最高となる13億2244万円の完工高を計上していた。

 しかし、リーマン・ショックによる市況の悪化で、レオパレス21が建築請負から賃貸事業をベースとしたビジネスモデルへ転換したことなどから、主に関西地区での受注が減少し、10年3月期の完工高は2億7168万円にまで低下した。最近は実質的に代表者1人での運営となり、レオパレス21以外からの受注確保にも努めていたが業況は改善せず、今回の措置となった。

 ▼福老 福老(旧イデアクエスト)は5月16日、東京地裁から破産開始の決定を受けた。

 同社は2012年3月、慶應義塾大学理工学部が開発した画像センシング技術を活用した医療福祉機器の開発を目的にイデアクエストの商号で坂本光広社長が設立した。高齢者や新生児を対象とした医療、介護システム機器の開発を手掛け、厚生労働省から認定を受けた介護見守り装置「OWLSIGHT(アウルサイト)」を16年に商品化した。

 しかし、その後は目立った商品の投入、量産は行われず、さらに代理店などの販売網の整備に時間がかかり、16年3月期の売上高は2697万円にとどまった。

 17年3月期は売上高1億711万円を計上したものの、開発費用がかさんだことから、4億1943万円の赤字となり、1億991万円の債務超過に陥っていた。

 今年3月には商号を「福老」に変更し、経営の体制変更の協議を進めた。だが、協議は進展せず事業継続が困難となった。

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【会社概要】エムエルエー

 ▽本社=奈良市七条町

 ▽設立=1991年6月

 ▽資本金=2000万円

 ▽負債額=6841万円

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【会社概要】福老(旧イデアクエスト)

 ▽本社=東京都大田区

 ▽設立=2012年3月

 ▽資本金=6億7560万円

 ▽負債額=約4億7000万円

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 〈チェックポイント〉

 エムエルエーは専属的に請け負っていたレオパレスからの受注動向に左右される体質だった。相手側のビジネスモデルの転換や経営の浮き沈み、競合他社の台頭などで取引環境は変化する。取引先の1社傾注、過度な依存は相手の規模や経営内容にかかわらず、避けなければならないリスクヘッジの定石だ。

 福老は慶大発ベンチャーとして注目を集め、投資家から出資も得ていたが開発費用が追い付かなかった。先進的な技術が売りの大学発ベンチャーだが、ひとたび起業すれば収益確保が最重要課題となる。限られた資金で軌道に乗せられるか。強いプレッシャーのなかで、開発競争と事業化という試練が待っている。(東京商工リサーチ常務情報本部長 友田信男)